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studio BO5 一級建築士事務所の建築、デザイン、住まいなど日々思ったことを綴ったブログです。
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2011年5月30日月曜日

シェアレジデンス:高齢化社会に対する提案

今回は私たちが提案している「シェアレジデンス」を紹介します。これは高齢化社会における都市型分譲住宅の住戸ユニットの提案です。

コンセプトは「誰かと一緒にいることで、よりアクティブになれる。」です。

近年、一人暮らし高齢者が増加傾向にあり、その大半が日常生活に満足しているものの一人で過ごすことに不安を感じているという内閣府のデータがあります。そして不安と答えた人の半数が「頼れる人がいない」ことを要因にあげています。アクティブシニアにとって大切なものは自分の時間を楽しむ「個人のライフスタイル」と同時に「頼れる隣人」の存在なのではないでしょうか。そこで共に暮らしながら個を尊重する夫婦、親子、兄弟姉妹等をシェアパートナーと考えた住まいの提案が「シェアレジデンス」です。

シェアというとシェアハウスを思い浮かべますが、シェアハウスとの大きな違いはプランです。シェアハウスは若者向けの他人同士が住むことを前提としている住まいであり、個室と共有空間が二分しています。それに比べ、夫婦や親子、兄弟姉妹等を前提としているこのシェアレジデンスは共有空間から個室までが緩やかにつながっています。


また都市の分譲住宅は高い利便性がある一方で、住民との関係は希薄であり、シニアを見守る意味での環境は郊外や戸建に比べると低いと言えます。このような背景を考えると「シェアレジデンス」という住まいかたは今後高いニーズを得る可能性があるのではないでしょうか。核家族や一人暮らしを前提としてきた分譲住宅において新たなマーケットになるかもしれません。

もともと某コンペへの応募案であり、残念ながら落選したため今のところ建設計画はありませんが、また機会があれば是非実現したい提案です。ご興味がある方はお気軽にご相談下さい。

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2011年5月16日月曜日

時を感じる空間 上野駅

先日話題のパンダを見に、久しぶりに上野駅を訪れました。上野駅は「北の玄関口」と言われ、開業時から日本を代表するターミナル駅として栄えてきました。バブル期には日本を代表する建築家・磯崎新氏の設計による地上300m超高層駅ビルに建替える計画もあったそうです。新幹線が東京駅まで行くようになり、その玄関口としての影は薄まりつつありますが、その歴史と時間はいまでも随所に感じることができます。

旧駅舎を改装し今は駅ビルとして使われている写真の大きな吹き抜け空間はその代表的な空間です。リノベーションの醍醐味である新旧の融合がデザインされています。ここ以外にも中央改札口から入る13~15番線は改札から水平にプラットホームが広がる櫛型ホームのかたちをしていて、ヨーロッパの駅を感じさせます。私が訪れた際、たまたま旧型の草津行きの寝台車が止まっていたこともあり、ここからどれだけ多くのひとが北の地に旅立ったのか、そういった時間と思いを感じさせる空間でした。昔は20番線までここにあったらしいです。当時の光景を思い浮かべると空間の中に時間を感じます。

他にもおしゃれな駅ナカなどもあり、ショッピングなど十分楽しめる場所でした。動物園にパンダを見に行った際には是非上野駅の「空間」と「時間」も一緒に楽しんでみて下さい。

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