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studio BO5 一級建築士事務所の建築、デザイン、住まいなど日々思ったことを綴ったブログです。
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2013年8月23日金曜日

80%超え!?

今日は暑いですね〜。

なんで晴れてもいないのにと思っているかたも多いでしょうが原因は湿度くんです!ちょっと測ってみたら80%超え・・・それは暑いはず、これは満員電車並みの数字です。

台風による南からの湿った空気が流れ込んでるからですね。波乗りする人にとっては波が良くて最高なんですけど、大勢の人にとってはジメジメ蒸し暑いだけですね。

こんな日は除湿機をつけるかたも多いと思いますが、除湿機って結露させて水分を取るために空気を冷やし過ぎちゃうものだから、実はエアコンの中のヒーターで空気を温めてるんですよ。夏にヒーターを使うなんてなんて非効率なことをすると思いませんか。さらに電気代も冷暖房よりかかるんです。

こんな日は家の中に居座る湿度くんを扇風機やサーキュレターで動かして、風による気持ち良さで凌ぎ、冷たいものでも食べて残暑を楽しみましょう。(早川 慶太)

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2013年6月18日火曜日

ふたりのイームズ 建築家チャールズと画家レイを見て


おもてなしと遊び心で社会を変えたデザイナー

 
シンプルで洗礼され遊び心がある。そんな印象で大好きなデザイナーだが、概念的で哲学的なデザイナーであったことをこの映画で知った。例えば有名なイームズチェアではたくさんの人の座った体型のサンプリングをとり、全ての人が座り心地の良い形を模索している。近代化、大量生産、軽量、低価格の時代にあって、その技術だけで終わるのではなく人と技術を結びつけ、時代の空気感を表現し、民主化を表現していたのではないだろうか。他に印象的なのは冷戦時代にモスクワで開かれたアメリカ博覧会の映像製作「アメリカの一日」である。高速道路や星空や街の灯りなど普遍的なアメリカのランドスケープとアメリカ人の日常生活を映し、お互いの国が何も変わらないことを表現している。そして最後のチャールズは飛行機の映像にしようとしたが、レイがロケットを意識させるからと止め、わすれな草の花の映像で終わっているところが感動的である。軍事力を示すのではなく友好の花を示したのではないだろうか。「Powers of ten」では数字を地理のスケールをに可視化するという方法で世の中の意味に迫っている。イームズの概念が良く表れた映像ではないだろうか。


もうひとつ感動したのは建築家としてのチャールズの姿勢である。家具や建物から映像や写真など様々な表現分野を横断するイームズであるが、建築家という肩書きはものの見方を示していると言っていたのが、今の自分のモヤモヤを吹き飛ばしてくれた。

また先見の目があり「フランクリンとジェファーソンの世界」展では膨大な展示と膨大な文章でNYのブルックリン美術館で大不評に終わるのだが、今のコンピューター社会であれば可能な展示であった。これが未来の展覧会を示唆したものであるのかどうかは定かではないが、IBMコンピューターの宣伝映像なども手がけていたイームズは時代を見ていたのは確かである。

先日見たカリフォルニアデザイン展と合わせて、アメリカの近代化や人口増加、冷戦時代とミッドセンチュリーデザインがいかに対応しているかが良くわかった。私たちはふたりのイームズの概念と厳しい時代でも楽観的で遊び心を忘れないところを継承し、今の時代と未来を考えてデザインをしなければいけない。

早川 慶太

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2012年8月8日水曜日

一瞬で涼しくなる魔法の窓

連日暑い日が続いていますね。そこで今回は一瞬で涼しくなる魔法の窓を紹介します!って少々大げさですね。(笑)

この時期、外から帰ると部屋が悶々と暑いということがよくありますよね。私たちの事務所もガラス張りのため出社して事務所に入るとなんとも言えない空気が体に纏わりつきます。計測すると温度27℃湿度77%でした。夜の間は誰もいないのに湿度が高いですね。

そこでまず最初に開ける窓が一瞬で涼しくなる魔法の窓です!左の写真の窓なのですが皆さんも目にしたことはありますよね。これは火事の時に煙を外に出す役割があるということで排煙窓と呼ばれています。通常は高い位置にあり、私たちの事務所でも吹き抜けになった高い部分にあります。高いところにあるほうが煙突効果と言われる空気を吸い上げる効果が期待できます。玄関のドアを開け、この窓を開けると3分ぐらいで先ほどの計測結果どうなると思いますか。答えは温度29℃湿度61%なんです。なんと外の方が暑かったみたいで室温は2℃上がってしまったのですが湿度がみるみる下がり16%も下がりました。体感としては先程まで纏わりついていた空気がなくなり涼しく感じます。人間は皆さんが思っている以上に湿度によって暑いと感じるセンサーを持っているんです。暑い夏に窓を開け空気を入れ替えるというのは除湿効果があることが良くわかりますね。この除湿を行ってからエアコンをつけると節電にもなります。

私たちは日々、こうした窓を効果的に使うことを考えて設計作業をしています。高窓は日が入り暑いのではないかと心配されることもありますが、一概にそれだけではないのが今回の計測で分かってもらえるのではないでしょうか。

皆さんも是非試してみて下さい。

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2012年7月23日月曜日

階段のデザイン

設計作業の中で最も検討する部分のひとつが階段です。「本当に?単なる階段でしょ。」と思われる方も多いかもしれませんね。でも本当なんです。設計事務所の修行時代は階段の図面が書けたら一人前とも言われるぐらい難しく奥が深いんですよ。

階段には上下階の移動という機能があるのはもちろんですが、それ以外にも上方からの光を落とす吹き抜けのような役割やオブジェクトのような建物のアクセント的役割を担うことがあります。また時には権威を表現するような大階段もありますね。

技術的には階段の足が乗る部分を「段板」、段板を支える部材を「ささら」といいこれらが床や壁とどうぶつかり、どちらの材料が上か下か、どこで材料が変わるかということを永遠と図面や模型で考えます。これに手摺、巾木と言う部材が加わり、、、と書いてるだけでも疲れますね。(笑)また油断すると降り際に上階の床に頭がぶつかってしまうこともあります。

写真の階段は私たちが設計した住宅の階段です。ごくごく普通の手摺壁の階段なのですが、その手摺壁の笠木(木の部分)を上階まで一筆書きのように繋げることで縦の空間の動きを表現しています。この表現をするのも大工さんの習慣とは違うのでなかなか理解してもらえず、大きな模型を現場持っていき、それでも現場に行ったら間違っていて、その場で直してもらったという思い出があります。

これからは階段に注目して建物を見てみると面白いですよ。階段を見ればどれだけ丁寧に作られた建物なのか大体わかります。でもあまり見すぎて落ちないようにして下さいね。(笑)

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2012年7月8日日曜日

「割り箸ウォール」DSAデザイン賞に入賞!

photo Yasuyuki Kasagi
横浜トリエンナーレ特別連携プログラム「黄金町バザール2011」において手がけたインフォメーションブースの会場構成「割り箸ウォール」が日本空間デザイン協会が主催するDSA空間デザイン賞に入賞しました。応募総数は877作品あり、上位賞の候補作品にもノミネートされていたようです。この前身は、「ディスプレイデザイン賞」であるので、商品や展示をいかにインパクトある空間として見せていくかということが注目される中で、今回、イベントサポーターと共につくった派手さはありませんが小さな空間の中に様々な機能を内包する空間を割り箸という素材・構造を用いて解決したこの空間が評価されたことは大変嬉しく思います。


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2012年6月22日金曜日

初音・黄金・日ノ出 町土産プロジェクト

初音・黄金・日ノ出町には、明治末期に創業した豆屋さんや日本で2番めに古い理髪店などこの町ならではの古くからの技術をもった方々がいらっしゃいます。また、近年、黄金町エリアマネイジメントを中心としたアートによるまちづくりが進んでいます。こういった特徴ある町ならではの町土産を地元の商店の方々と共に考え進めています。

このプロジェクトは始まったばかりですが、現在、お中元に向けての町土産を企画する作業をしています。地元の商店の方々から商品を募って町土産の商品のラインアップとパッケージングについて検討しています。地元の商店はもちろんのこと、黄金町に関わったアーティストグッズも取り入れたユニークな商品になっています。



黄金町にある酒屋さんのオリジナルの梅酒
御当地サイダー
黄金町に関わったアーティストグッズ
黄金町と交流のある千葉県大多喜町からの産地直送品
100年つづく豆屋さんの板豆
黄金町で削りだした鰹節




等色々と集まりました。こうした作業は、単にデザインで商品を演出するということよりも地域の固有の素材や技術を通して、その町の独自の価値や魅力を考えるきっかけとなります。また、今後、黄金町のアーティストの町の商店の方々とのコラボレーションにより新たな魅力が創出されることも考えられます。さらに地域戦略としての広告・店舗などまち全体に拡がるまちづくりだと考えています。

初音・黄金・日ノ出町町土産HPhttp://hatsukouhinode.web.fc2.com/
※随時更新しておりますので、是非、チェックしてみて下さい。
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2012年5月23日水曜日

小さな空間のつくり方「割り箸ウォール」

小さな空間のつくり方のポイントとして、前回「仕切り」の話をしました。この黄金町バザールの会場構成も仕切りについて考えたプロジェクトです。

ここではインフォメーション、地域土産コーナー、ギャラリー、映像コーナーの四つのゾーンが求められました。そしてこの四つのゾーンの分け方と繋げ方について検討を重ねました。

私たちは割り箸を3,000本を組み立た割り箸ウォールをZ形に置くという操作だけで会場を構成することに挑戦しました。割り箸ウォールは棚、展示、スクリーンなどの機能、各ゾーンの仕切りの機能を担いながら、格子のように人の気配を他のゾーンに伝えます。

小さな空間で多くの機能が求められる場合は、仕切りをシンプルにし、人の流れと空気の流れを切らないようにすることを良く考えて設計しています。

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photo:Yasuyuki Kasagi