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studio BO5 一級建築士事務所の建築、デザイン、住まいなど日々思ったことを綴ったブログです。
建築設計などのご相談は、e-mail: bo5@live.jpよりご連絡下さい。HP : http://www.booooo.jp

2012年2月25日土曜日

ガーデニング?アート?黄金町の奇想園芸店「コガーデン」

私たちの事務所のすぐお隣で期間限定オープンしている黄金町の奇想園芸店「コガーデン」を訪れました。黄金町のアーティストが中心になり「植物」に関わる作品、商品を販売しています。

ガーデニングという誰もが親しみ易いライフスタイルと現代アートという多くの人が取っ掛りずらいものが掛け合わされ、しかもお店というのですから面白いコンセプトですよね。正直自分も現代アートが分からないとひとりなのですが、このお店には本当に使いたいものや、ちょっと笑っちゃうものがあったりして、でもやっぱりミステリアスで可笑しな感じです。

アートって敷居が高く感じたり、分かるひとが分かればいいみたいな暴力的な側面があり、それが悪いことではないのでしょうが、ガーデニングというひとつの翻訳がされていることで少し身近に感じるのだと思います。

開店時より作品・商品もどんどん増え、とても賑わいをみせています。明日閉店なのがもったいないですね。

参加アーティスト
伊東純子 L PACK  小畑祐也 久保萌菜 さかもとゆり 関本幸治 ナイマ フクモ陶器 フタマフユミ


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2012年2月17日金曜日

リビングルーム


チェンタ・ユーさんの作品。床に描かれたキーワード

2月12日(日)-2月26日まで黄金町エリアマネイジメントセンター主催の「リビングルーム~プライベートとパブリックが出会う場所」という展覧会を黄金町にあるsite A Galleyと八幡館で開催しています。海外を含めた4組のアーティストが「リビングルーム」をテーマに作品をつくるというもので、詳しくは、以下のホームページ。http://www.koganecho.net/event_exhibition/2012/02/Event-Exhibition-448.html
2月12日はオープニングということで、早速、展覧会に行ってきました。それぞれが、異なる視点から「リビングルーム」を表現していて面白かったです。中でも、興味を引いたのは、チェンタ・ユーさんの作品。地域の人々から「リビングルーム」について思い浮かべることをリサーチし、その内容をビデオや空間の中に表現したものでした。左の写真は、インタビューしたそれぞれ人が、「リビングルーム」について連想したキーワードです。

フラットな自分、ひなたぼっこ、ひとつになれる
すっぽんぽん、くつろげる、お茶......等々

それをビデオ・アートでは作家のチェンタ・ユーさんが円卓の前に座り、ぎこちない日本語で復唱するのが、クスっと笑えます。抽出された言葉は、思った以上に多く私自身あまり想像していなかった行為もいくつかあって興味深かったです。メディアを通してみるリビング像は単一化されているが、リビングには多くの行為が内包される場所であり、それぞれの家族が何を優先するかによって、その家族の在り方や住まい方も多様であるということを改めて考えさせられる作品でした。

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2012年2月15日水曜日

梅の花が咲き始めました!鎌倉・荏柄天神社

寒さがだいぶ和らいできましたね。先日鎌倉の荏柄天神社を訪れて春を発見、梅の花が咲き始めていました。

鶴ケ丘八幡宮の少し先にある荏柄天神社は学問の神様、菅原道真を祀り、京都の北野天満宮、九州の大宰府天満宮とならび日本三大天神といわれています。合格祈願で多くの人が訪れたと思います。

境内のみどころはこの梅の木と樹齢1000年とも言われる大銀杏。鶴ケ丘八幡宮の大銀杏は有名ですが、ここにもあったんですね。梅の紋章があしらわれた扉も見事でした。他にも手を清める水場などに梅の紋章があしらわれているので探してみて下さい。

ちなみにプチ情報ですが、この荏柄天神社に向かう分かれ道という交差点にあるパン屋さん「ビゴの店モン・ペシェ・ミニョン」のパンがとても美味しいですよ。おすすめはクロックムッシュとフランスパン!荏柄天神社とあわせて行ってみてください。

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2012年2月10日金曜日

建築家のセルフリノベーション2 軽量鉄骨梁が現れる!

少しずつ進んでいるセルフリノベーション。解体作業が終わり、天井を全て撤去しました。現れたのは軽量鉄骨の黒い梁です。この建物は軽量鉄骨造で鉄骨梁の上にALC板を乗せ、二階の床を形成しています。

部屋を仕切っていた壁を取り除き、光が綺麗に入ってくるようになりました。解体はバールを使いテコの原理を使ってめくっていくようにボードを剥がしていきました。バールが勢い余って頭に当たり危うく流血騒ぎになりそうでしたが、軽傷でなんとか無事できました。

ちょっとショックだったのが、最後の一枚の天井ボードをはがしたときに電気配線がたくさん横切っていたこと。しかしリノベーションにはこういう予想外の配管はつきものです。この部分は天井のデザインでカバーしようと検討中。

次回より内装工事始まります。

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2012年2月6日月曜日

「京急まちwebマガジン」にて紹介されました

京急沿線の情報サイト「京急まちwebマガジン」にてstudio BO5が紹介されました。今回は、日ノ出町から黄金町まで「情緒ある町並み探索」で黄金町の取材をしています。地元のアーティストとして、「さんにん工房」さんとstudio BO5が紹介されています。下記のホームページより御覧ください。

http://www.keikyu-ensen.com/kqmachiwebmagazine/20120203

住まいの音響2 天井


先日、書いた「住まいの音響1 調音パネル」の続きで、天井についてお話します。前回は、音響の吸音と反射のバランスについて書きましたが、もうひとつ、音響を考える上で重要な項目として定在波をなくすための工夫が必要になります。体育館などで手を叩くと、よく「ビ~ン」という耳障りな高音が聞こえる体験をしたことがある方も多いと思いますが、これが定在波です。

定在波でよく言われるのが、対面する壁が平行な場合、音が繰り返し反射して起こるため、壁を斜めにする等して乱反射させるか、吸音することによって発生させない工夫をします。しかし、壁以外にも定在波が現れやすい部分はあります。それが、天井です。特に天井のコーナー部分は、音が複雑に反射し、入り乱れることによって、音が濁ったり音抜けが悪くなります。

今回のリノベーションでは、こうした天井のコーナー部分に発生しやすい定在波を極力抑えるため、天井部分に極力、入隅ができないように、R天井とすることを考えました。部屋の真ん中には、高層住宅といわんばかりの大きな梁が通っていましたが、R天井にしたことによって緩やかに空間がひと繋ぎに感じるような効果もでました。R天井も、職人さんの苦労かいあって、綺麗に施工できました。

今回のリノベーションは、子供が独立し夫婦2人が生活する場として、音楽鑑賞が好きなご夫婦のために暮らしの中にいかに音環境を取り込むかということがテーマでした。環境は、常に人や状況によって変化していくものなので、規格化されたものではなく、それに柔軟に対応できるデザインを目指すことによって、住まい手と暮らしの間に新しい関係性が生まれることを期待します。


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photo:ナカサアンドパートナーズ(左)



2012年2月3日金曜日

鬼は外、福は内。どこからが外でどこからが内?

今日は節分ですね。節分とは季節の変わり目の前の日ということです。明日は立春です。寒い日が続きますが春へ移って行くんですね。ちなみに季節の変わり目に邪気が入りやすいということから鬼は外と豆まきをするようです。

さてこの鬼は外、福は内と言いますが、どこからが外でどこからが内なんでしょう?鬼の気分になって考えてみました。


鬼は外〜!窓から追い出された鬼はで縁側や庇の下で一休み。

いやいやそこは内だよ、鬼は外〜!鬼は泣く泣く庭で一休み。

いやいやそこは内だよ、鬼は外〜!鬼は街のカフェに逃げ込も一休み。

いやいやそこも内の街だよ、鬼は外〜!鬼は隣の街に逃げました・・・


なんてことになるかもしれません。窓や壁が外と内の境目なのか?雨が掛からないところも内なのではないか?だんだんうさんくさい話になってきてしまいました。ここで建築的内外論を語るつもりはありません。内と外はその人の見方や状況によって違うので決められないことなんだと思います。

なんだよそんな結論かと思う人も居るかもしれませんが、こんなことがここ数年世界で起こっているように思います。20世紀はいろいろなものを分けてきた世紀と言えます。国を分け、自然と都市を分け、学問を分け、分類することで物事を考えてきました。しかしその歪のようなことが起こっています。温暖化であったり、テロであったり。21世紀は今まで分けて考えてきたものをもう一度つなげて考えることが必要なのだと思います。

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黄金町いっしょにデザイン会議


photo:Yasuyiki Kasagi
2011年に行われた横浜トリエンナーレ特別連携プログラム「黄金町バザール2011」にて黄金町を拠点とする建築家有志が集まり「黄金町いっしょにデザイン会議」を発足して、黄金町地域について各々が独自の視点から空間やビジュアルの提案を行い、黄金町の街のあり方について議論する会議を行っています。活動を行うにあたって、身近な参考になる事例や制度などに関してヒアリングを行なっています。第1回は飯田善彦建築工房、第2回はACY|アーツコミッションヨコハマに伺ってヒアリングを行いました。ヒアリングの様子を「黄金町いっしょにデザイン会議」のブログにアップしていますので、ご覧下さい。


飯田善彦建築工房訪問
http://designtogather.blogspot.com/2011/12/blog-post.html

ACY|アーツコミッション ヨコハマ
http://designtogather.blogspot.com/2012/02/acy.html








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2012年2月1日水曜日

住まいの音響1 調音パネル

以前、リノベーションした「オトと暮らす家」から音響についてちょっとお話したいと思います。このプロジェクトは、高層マンションの上層階にある住戸で、晴れた日には富士山が見える羨ましいほどの景色がみられます、オーディオ好きのオーナーにとっては決して良い環境とは言えない状況でした。高性能なスピーカーを持ってはいたものの、規格化された住宅では音響に対する配慮がされていないので、オーディオの能力を十分に発揮できる環境ではなかったからです。

住まいの音響と聞くとシアタールームやオーディオルームのような有孔板や吸音効果のあるグラスウールを布で包んだ調音パネル(吸音パネル)で構成された専用ルームを思い浮かべる人が多いと思います。しかし、このような専用ルームにこもって音楽を聴くのではなく、生活とともにある音楽があるような暮らしがしたいというのがオーナーからの希望でした。






音には音源から直接到達する直接音と壁に反射して到達する反射音があります。音は反射を繰り返すと音が干渉しあって余計な響きが聞こえてきます。それを抑えるため、調音パネル(吸音パネル)を利用して反射する音を抑えます。しかし、あまり吸音しすぎると響きが悪くなってしまうので物足りなくなります。こういったことから、室内音響をつくるには反射と吸音のバランスが大切になってきます。

このリノベーションでは、そういったことを考慮して普段多くの時間を過ごすリビングルームでいかにインテリアに音響の要素を組み込みながら部屋の響きを整えるかということでした。その中の一つとして、吸音と反射のバランスをどのようにコントロールするかということが非常に重要になってきました。そこで、収納の扉を利用して簡単に調音パネル(吸音パネル)が取り外しできる仕組みを音考えました。実は、収納は鋼板の入った扉になっています。それをマグネットのついた調音パネル(吸音パネル)で固定できるようにしてあります。そして、インテリアに溶け込むだけではなく、簡単に脱着できることによって音楽のジャンルによって吸音と反射をバランスを変えられます。また、そのことによって壁の表情も変わっていきます。

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photo:ナカサアンドパートナーズ