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studio BO5 一級建築士事務所の建築、デザイン、住まいなど日々思ったことを綴ったブログです。
建築設計などのご相談は、e-mail: bo5@live.jpよりご連絡下さい。HP : http://www.booooo.jp

2012年8月8日水曜日

一瞬で涼しくなる魔法の窓

連日暑い日が続いていますね。そこで今回は一瞬で涼しくなる魔法の窓を紹介します!って少々大げさですね。(笑)

この時期、外から帰ると部屋が悶々と暑いということがよくありますよね。私たちの事務所もガラス張りのため出社して事務所に入るとなんとも言えない空気が体に纏わりつきます。計測すると温度27℃湿度77%でした。夜の間は誰もいないのに湿度が高いですね。

そこでまず最初に開ける窓が一瞬で涼しくなる魔法の窓です!左の写真の窓なのですが皆さんも目にしたことはありますよね。これは火事の時に煙を外に出す役割があるということで排煙窓と呼ばれています。通常は高い位置にあり、私たちの事務所でも吹き抜けになった高い部分にあります。高いところにあるほうが煙突効果と言われる空気を吸い上げる効果が期待できます。玄関のドアを開け、この窓を開けると3分ぐらいで先ほどの計測結果どうなると思いますか。答えは温度29℃湿度61%なんです。なんと外の方が暑かったみたいで室温は2℃上がってしまったのですが湿度がみるみる下がり16%も下がりました。体感としては先程まで纏わりついていた空気がなくなり涼しく感じます。人間は皆さんが思っている以上に湿度によって暑いと感じるセンサーを持っているんです。暑い夏に窓を開け空気を入れ替えるというのは除湿効果があることが良くわかりますね。この除湿を行ってからエアコンをつけると節電にもなります。

私たちは日々、こうした窓を効果的に使うことを考えて設計作業をしています。高窓は日が入り暑いのではないかと心配されることもありますが、一概にそれだけではないのが今回の計測で分かってもらえるのではないでしょうか。

皆さんも是非試してみて下さい。

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2012年7月23日月曜日

階段のデザイン

設計作業の中で最も検討する部分のひとつが階段です。「本当に?単なる階段でしょ。」と思われる方も多いかもしれませんね。でも本当なんです。設計事務所の修行時代は階段の図面が書けたら一人前とも言われるぐらい難しく奥が深いんですよ。

階段には上下階の移動という機能があるのはもちろんですが、それ以外にも上方からの光を落とす吹き抜けのような役割やオブジェクトのような建物のアクセント的役割を担うことがあります。また時には権威を表現するような大階段もありますね。

技術的には階段の足が乗る部分を「段板」、段板を支える部材を「ささら」といいこれらが床や壁とどうぶつかり、どちらの材料が上か下か、どこで材料が変わるかということを永遠と図面や模型で考えます。これに手摺、巾木と言う部材が加わり、、、と書いてるだけでも疲れますね。(笑)また油断すると降り際に上階の床に頭がぶつかってしまうこともあります。

写真の階段は私たちが設計した住宅の階段です。ごくごく普通の手摺壁の階段なのですが、その手摺壁の笠木(木の部分)を上階まで一筆書きのように繋げることで縦の空間の動きを表現しています。この表現をするのも大工さんの習慣とは違うのでなかなか理解してもらえず、大きな模型を現場持っていき、それでも現場に行ったら間違っていて、その場で直してもらったという思い出があります。

これからは階段に注目して建物を見てみると面白いですよ。階段を見ればどれだけ丁寧に作られた建物なのか大体わかります。でもあまり見すぎて落ちないようにして下さいね。(笑)

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2012年7月8日日曜日

「割り箸ウォール」DSAデザイン賞に入賞!

photo Yasuyuki Kasagi
横浜トリエンナーレ特別連携プログラム「黄金町バザール2011」において手がけたインフォメーションブースの会場構成「割り箸ウォール」が日本空間デザイン協会が主催するDSA空間デザイン賞に入賞しました。応募総数は877作品あり、上位賞の候補作品にもノミネートされていたようです。この前身は、「ディスプレイデザイン賞」であるので、商品や展示をいかにインパクトある空間として見せていくかということが注目される中で、今回、イベントサポーターと共につくった派手さはありませんが小さな空間の中に様々な機能を内包する空間を割り箸という素材・構造を用いて解決したこの空間が評価されたことは大変嬉しく思います。


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2012年6月22日金曜日

初音・黄金・日ノ出 町土産プロジェクト

初音・黄金・日ノ出町には、明治末期に創業した豆屋さんや日本で2番めに古い理髪店などこの町ならではの古くからの技術をもった方々がいらっしゃいます。また、近年、黄金町エリアマネイジメントを中心としたアートによるまちづくりが進んでいます。こういった特徴ある町ならではの町土産を地元の商店の方々と共に考え進めています。

このプロジェクトは始まったばかりですが、現在、お中元に向けての町土産を企画する作業をしています。地元の商店の方々から商品を募って町土産の商品のラインアップとパッケージングについて検討しています。地元の商店はもちろんのこと、黄金町に関わったアーティストグッズも取り入れたユニークな商品になっています。



黄金町にある酒屋さんのオリジナルの梅酒
御当地サイダー
黄金町に関わったアーティストグッズ
黄金町と交流のある千葉県大多喜町からの産地直送品
100年つづく豆屋さんの板豆
黄金町で削りだした鰹節




等色々と集まりました。こうした作業は、単にデザインで商品を演出するということよりも地域の固有の素材や技術を通して、その町の独自の価値や魅力を考えるきっかけとなります。また、今後、黄金町のアーティストの町の商店の方々とのコラボレーションにより新たな魅力が創出されることも考えられます。さらに地域戦略としての広告・店舗などまち全体に拡がるまちづくりだと考えています。

初音・黄金・日ノ出町町土産HPhttp://hatsukouhinode.web.fc2.com/
※随時更新しておりますので、是非、チェックしてみて下さい。
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2012年5月23日水曜日

小さな空間のつくり方「割り箸ウォール」

小さな空間のつくり方のポイントとして、前回「仕切り」の話をしました。この黄金町バザールの会場構成も仕切りについて考えたプロジェクトです。

ここではインフォメーション、地域土産コーナー、ギャラリー、映像コーナーの四つのゾーンが求められました。そしてこの四つのゾーンの分け方と繋げ方について検討を重ねました。

私たちは割り箸を3,000本を組み立た割り箸ウォールをZ形に置くという操作だけで会場を構成することに挑戦しました。割り箸ウォールは棚、展示、スクリーンなどの機能、各ゾーンの仕切りの機能を担いながら、格子のように人の気配を他のゾーンに伝えます。

小さな空間で多くの機能が求められる場合は、仕切りをシンプルにし、人の流れと空気の流れを切らないようにすることを良く考えて設計しています。

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photo:Yasuyuki Kasagi


2012年5月16日水曜日

小さな空間のつくり方「オープンパウダールーム」

最近仕事を振り返ってみたら、小さな空間を多く設計していることに気がつきました。なんと必死になるあまり自分では小さいことに気がついていなかったのです。改めてその小ささから生まれたアイデアを紹介したいと思います。

左の写真は間口3m弱、20㎡という、ごくごく普通のワンルームユニットのリノベーションです。元のプランは6畳間+3点式ユニットバスでした。玄関を入ると狭い廊下にミニキッチンがあり、その先部屋がある学生アパートの典型です。全体で50戸近くあるうちの空き室8戸をリノベーションしたのですが、立地が良いことからSOHOとしても使われている部屋もありました。

そこでまず水周りを90cm幅で細長くまとめ、来客があるSOHOにも対応出来るスペースをつくり、玄関を開けたときの印象を大きく変えました。さらにその水周りの扉を全開できるようにし、水周りが完全に部屋と一体となるようなつくりにしました。忙しい朝の時間の用意はフルオープンにして一気に身支度をすることが出来ます。

この小さな空間での工夫は玄関、廊下、部屋と機能で空間を仕切らないことです。またさらにここでは水廻りの仕切りも取り払えるようにし、文字通りワンルームを作りました。

私たちはこのような小さな空間では「仕切り」についてよく検討しています。また他の「仕切り」については次回紹介したいと思います。

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2012年5月15日火曜日

宝くじレシート IN TAIWAN

先日、滞在した台湾でのお話。台湾の小売店では帳簿をつけたり、レシートを発行したりするという習慣がなく、小売店の納税率が非常に低かったようです。これに対し、1950年頃、政府は政府主催の宝くじレシートという制度を取り入れてました。これを機に消費者がお店側にレシートを請求するようになり、レシートが発行されることで小売店の売買の管理がしやすく納税率のアップに成功したようです。

宝くじは、2ヶ月に1回行われ1等、当選金は200万元。宝くじを自分で購入しなくても、日々必要な買い物をコツコツとしていれば、当選する確率があるということ。消費者にインセンティブを与えて小売店がレシートを発行するように促し、結果、納税率が上がるという柔軟な問題解決システム。とても面白い制度ですね。また、金銭を入れる募金ではなく宝くじレシートで募金を受け付けている団体もあるようです。

台湾では日常的な小売店が現在でも非常に多く、小吃、洗髪、夜市等は台湾の街のにぎわいを形成しています。こうした制度は、小売店にとっては厳しいですが、今後も活発な営業活動を続けてほしいですね。

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2012年5月9日水曜日

「よんふくcafe」大岡川を眺め、ゆるっとごはん

大岡川沿いにある黄金町の新しいお店「よんふくcafe」に行ってきました。実はここの内装を少しお手伝いさせていただきました。

もともと「CAFE☆STAR」として黄金町でやっていたお店がこの春、移転リニューアルしたものです。隣には「atelier よんふく」があり手作りの服や小物を制作販売しています。

「よんふく」の由来はカフェとアトリエの4人で作る、幸福「ふく」洋服「ふく」だそうです。可愛らしい名前ですね。名前の通り、お店の中は大岡川からの光と心地よい音楽に包まれ、神奈川県の野菜を使った美味しいごはんと、根岸のCAFE HANZの丁寧に焙煎された豆を使った美味しいコーヒーや、手作りケーキを楽しむことが出来ます。



そして厨房にはあるひみつが!?




実は今年の三月に惜しまれながら閉じた黄金町の竜宮美術旅館で使われていた厨房器具を移設しているのです。竜宮美術旅館はその役割を終えましたが、そこで多くの人に憩いを与えた「火」は絶えずこの黄金町で生きていたのです。少し大げさな言い方ですが(笑)、私たちはこれをまちづくりにおける時間の継承だと考えています。

そして更なるひみつが!??ここだけの話ですが夏から秋頃には更にリニューアルする予定です。リニューアル前から訪れていただけると町の移り変わりも楽しんでいただけると思いますので、是非足を運んでみて下さい。

〒231-0066  横浜市中区日ノ出町2-165
OPEN   12:30〜18:00(木・金20:00まで・15:00〜17:00休憩)
CLOSE 月曜日・火曜日
BLOG  http://yonhuku.exblog.jp/


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2012年5月8日火曜日

華山1914:CONVERSION IN TAIPEI vol.1

華山1914創意文化園区
台湾、華山1914創意文化園区は、約築100年の日本統治自体の清酒造工場のコンバーションです。清酒工場は、1987年に工場の移転に伴い廃止され、そこから10年ほど放置されていましたが、1997年に「金枝演社」劇団が園区内で演劇をしたのをきっかけに芸術関係者から注目を集め、芸術・文化の発信拠点として、今では「台湾デザイナーズウィーク」の会場となったり、オリジナル商品販売の店舗やギャラリー、レストランとして再生されています。


既存の素材をできるかぎり使う
この建物は、外部空間は、基本的に既存の建物廃止になり放置されていた状態を極力残しつつプラスアルファーで必要な素材や植物などをうまく利用しながら空間を構成しているところが面白かったです。そのため、テーマパークのようには感じられなく、以前から使っていたような雰囲気があります。また、工場の跡地だけあって、建物がゆとりある配置になっているので台北市内の密集した感じから少し解き放たれた感じが魅力的です。



煙草工場のコンバージョン
こうした機運を受け、台北の松山空港の程近くにある煙草工場の跡地で約築75年の建物も「松山文創園区」として、文化総合施設として生まれ変わっています。ここでは、古い建物を残してコンノベーションする部分だけでなく2013年に竣工予定の建築家、伊東豊雄さんの広場と施設ができます。残念ながら、今回の滞在では見学できなかったので次回は行ってみたいなと思っています。



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2012年5月7日月曜日

傘のワークショップ


5月6日(土)横浜美術大学の公開講座「こどもアトリエ村」にてワークショップを行いました。参加してくれた子供たちがカッティングシートを用いてつくったオリジナル傘をつかって屋根を造りました。傘は、4つの傘を連結して屋根にして子ども達に持ちあげてもらいました。写真は、持ち上げる前ですが、子供はスケールが小さいので十分楽しんでいる様子。昨日の天気予報は雨だったので、外でのワークショップを心配していましたが、ワークショップが終わるころに雨が降り始めたのでセーフ。無事、終了しました。途中、ハプニングもあったのですがそれは次回リベンジ。また、ワークショップも開催していきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いします。

主催 横浜美術大学
講師 黄金町エリアマネージメント
    野田智之
    さとうりさ
    studio BO5
協力 中川ケミカル
    (studio BO5のワークショップにて)

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2012年4月26日木曜日

「団地大学」町とつながる地域コミュニティ型学生寮

私たちは新しい地域のコミュニティモデルとして「団地大学」という団地のリノベーションを提案しています。

1970〜80年代に建てられた大規模団地では核家族を想定した2DKタイプのプランが多く年齢層が偏りやすい傾向にあり、当時からの住まい手の高齢化が進んでいます。また新たな住まい手として借り易さと環境の良さから子育て世代が住む傾向もあり、その両者の二極化が起こっています。こうした状況下で単身高齢者のコミュニティづくりや子育て支援が求められるのは当然のことであり、現在の社会の大きな課題です。

私たちはこの担い手として若者を集め地域と結びつけることが必要だと考えました。そこで着目したのが大学が行なっている地域社会活動です。例えば足立区と東京芸術大学音楽学部は共同で「音楽教育支援活動・福祉と子育て支援事業・芸術によるまちづくり事業」を行なっています。こうした活動に興味をもっている大学生が集まり、主体的にプロジェクトを実践し運営していくのが「団地大学」というモデルです。
具体的には老朽化した団地をリノベーションし下層階をコミュニティの場として地域に開放、上層階をシェアハウスとして集まった学生の住まいとする計画を考えています。団地の下層階をコミュニティの場とすることでその周りの豊かな緑地環境を有効利用することもできます。

大学側は意欲的な人材を集め地域とつながる社会貢献活動を実践出来るというメリットがあり、学生は家賃の優遇や施設利用というメリットを想定、また貸主は大学からの安定した家賃収入が得られるという三者にメリットがある仕組みです。

社会が抱える福祉課題は戦後作られた住宅というハードが作り出した課題でもあります。今後そのハードを如何に見直していくかはとても重要であり、そのひとつとして「団地大学」というモデルを考えています。まだ実際の計画はありませんが今後実現に向けて考えていきたいと思っています。

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2012年4月17日火曜日

空き店舗改修@黄金町いっしょにデザイン会議

黄金町いっしょにデザイン会議
空き店舗改修@黄金町が進行中です。黄金町にある黄金町エリアマネイジメントが管理している施設の改修です。元は酒屋さんとして営業していましたが、今は、木材や鉄を使って作品をつくる「さんにん工房」というアーティストのアトリエとして利用しています。このプロジェクトは、黄金町いっしょにデザイン会議として仕事を受け、BO5が担当しています。黄金町いっしょにデザイン会議は、先日ブログにUPしましたが黄金町にいる5組7名の建築家による集団です。黄金町界隈の空き店舗を改修するにあたって、現在、アートによるまちづくりが進行している黄金町の地域の特色をいかに取り込みかということを議論しながら進んでいます。そのひとつの取組みとして、地域の資産(アーティストや地域で技術をもった方々等)とコラボレーションして空間を構成していくことを試みています。

昔ながらのミセのような工房

このプロジェクトにおいては、商店が外部空間と繋がっている昔ながらのミセのような雰囲気を残しつつ、黄金町のアーティスとのコラボレーションによって新たな場を築いていくことを模索しています。工房で作業している風景は額縁の中に描かれたアート作品の登場人物のように感じられたり。。。ここを通り過ぎる人の見方によって多様な感じ方ができるような空間になっています。

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外部と繋がるミセ空間
改装前の風景



2012年4月11日水曜日

傘を使って・・・

ワークショップの検討中...

5月6日(日)に横浜美術大学主催の春ヨコハマ・アート・ピクニックのワークショップに講師と参加することになっています。もう、一ヶ月をきってしまいましたが、ワークショップの内容について、事務所前のスペースを使って検討中。


今回は、傘を使って。。。。
皆さんが普段手にしている傘を使って、参加してくれる子供たちと共同で制作していくプログラムを予定しております。

4月16日(月)が申し込み締め切りです。ご興味のある方は、是非、ご参加下さい。
お申込みについてはこちらから。
http://www.yokohama-art.ac.jp/daigaku/society/kids_village/index.html


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2012年4月9日月曜日

SAKURA@KOGANECHO


私達の事務所前の大岡川には約800本の桜並木があり、横浜の桜の名所のひとつになっています。
先週末には、「大岡川桜まつり」のメインイベントが開催されてました。この日は、両岸の12の町内が中心となって、チャリティーライブやアートマーケット等の様々な催し物が開催されかなりの賑わいになります。毎年、楽しみにしているのですが、先週は色々と予定が入り事務所に来ても桜を見る時間もなく残念ながら昨日もメインイベントに参加できませんでした。

今日は、ようやく一息ということで早速お昼に外へ桜を見ながらランチをしました。光や風も心地よく、桜が綺麗に咲いていました。癒されますね。今日は、平日ですが桜を見に来ている人も多く賑わっています。屋台が始まるのが、もう少し遅い時間なのが残念。。。午後におやつでリベンジですね。(笑)ここは、ロシア料理、フランス料理、韓国料理などの多国籍な屋台が揃うのも特徴のひとつかもしれません。ということで、夜になると各国のビールが揃うかも。まだ、お越しにない方、4月15日まではあるみたいですよ。



こうして、桜を眺めているとすこし前に話題になったアカデミー賞ノミネート作品ルーシーウォーカー監督の「津波そして桜」を思い出します。その映像の中で、津波によって瓦礫で一体となった景色の中に桜の木を見つけて、桜を愛でるシーンがとても印象的でした。特に日本では4月に入学式や入社など転機となる季節に桜が咲くせいか、そうした記憶が何か桜に特別な印象を持つのでしょうか。場所や状況は違っても同じように桜を見て、それぞれが色々感じる桜は日本の都市景観にとってなくてはならない存在だなぁと改めて感じました。

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2012年4月5日木曜日

石巻の商店街

先日横浜市と石巻市の文化交流プログラム日和アートセンターのオープニングで石巻市を訪れました。石巻市を訪れるのは今回初めてでした。仙台から電車でさらに一時間半かけてようやく石巻駅に到着。石巻はテレビでもよく報道されていることから、駅に着いたら何もないよいう勝手なイメージを持っていたのですが、降りるとそこには普通の駅前や商店街の風景がありました。またところどころに漫画家石ノ森さん街とあってサイボーグ009の像があります。一見すると何事もなかったかのように日常が営まれているのですが、よく見ると津波の痕跡がところどころにあります。話を聞くとこの辺も一階は完全に浸水した地域です。

もともとこの商店街は近くに大型ショッピングセンターが出来て以来、シャッター通りという問題を抱えていたそうです。今回の津波で店内は使いものにならず、さらに出ていく人が増えているようです。日和アートセンターはこんな商店のひとつを横浜市が借りアートセンターとしてリノベーションしたものです。

私は今回、復興とはなんなのか、何か出来ることはないのかと考えながら行きましたが、石巻で最初に見たものは復興以前からあるシャッター商店街という問題でした。この問題は私が活動している黄金町でもある共通の問題であり妙な親近感を持ちました。

ちょうど黄金町で、こうしたシャッターが締まったままの空き店舗をリノベーションするプロジェクトをやらせてもらっています。これは単に綺麗にするということではなく、如何に町と関わる空間ができるのか、如何に町の人や商業、技と関わるかということをテーマにし、単なる改修ではなく町を活性化させる原動力となることを考えながらやっているところです。商店街にはもともとあったポテンシャルや隠れてしまっている力があると思います。なので0から始めるのではなく、そう言う見えにくくなってしまっている部分を必死に探してそこから始めるのことが必要だと考えやっているところです。

これから進められる東日本の復興は戦後の復興のようなものではなく、それ以前にある問題も解決しながら再生するようなことが絶対必要だと思います。そのひとつにシャッター商店街という日本全国である問題があるのだと今回改めて思い知らされました。私はいまそのひとつとして黄金町で関わらせてもらっていますが、同じ問題を共有している石巻の商店街でも関われたらと強く思いました。

そして商店街の漁港は報道で見る風景が広がっています。そちらについてはまた改めて書きたいと思います。 

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2012年3月30日金曜日

いよいよ塗装!セルフリノベーション

暖かい日が多くなりましたね。もうすぐ桜が咲くと思うと嬉しくなります。

もうすぐと言えば、コツコツと進めていたセルフリノベーションもあと少しで完成です。現在は休日毎に塗装工事をしています。

塗装工事の段取りはまずパテで継ぎ目を埋めます。次にパテをヤスリがけします。そしてローラーで塗装を行い、細部は刷毛で仕上げて行きます。プロのパテ処理はツルツルになるのですが、素人のパテ処理とあって塗装をすると影でよく目立ちます。やはり職人さんの技は凄いです。天井はずっと見上げているので結構大変です。

色は白を基調とし、鉄骨やサッシの黒、床と壁の木がアクセントになるようにしています。白にはいろいろな白があります。住宅の場合は真っ白よりもほんの少しだけグレーやクリーム色がついたものが良いです。

木部はオイルステインを塗装します。刷毛で塗装し15分ぐらい乾燥させてから拭き取ります。艶が出て木目が綺麗に見えてきます。

いよいよ今週末に完成予定。最後は妻と娘も塗装に参加して、みんなで完成させようと思います。

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2012年3月16日金曜日

SLOW LABEL THE FACTORY

先日、現在、象の鼻テラスで行なっているイベント「SLOW LABEL THE FACTORY」のオープニングに行って来ました。「SLOW LABEL」は、全て一点モノの手づくり雑貨ブランドで、「横浜ランデヴープロジェクト」という象の鼻テラスを拠点とした横浜市内の障害者施設や企業と国内外で活躍するアーティストをつなげ、特色を活かしたものづくりとその新しい仕組みから誕生しています。「SLOW LABEL THE FACTORY」は、その製作過程を体験できる工房型のイベントです。

会場は、on design が手掛けています。リニアに並ぶテーブルは、向上のレーンを連想させる雰囲気になっています。それぞれのテーブルで、お仕事を体験し獲得したスローマネーで紅茶が飲めるという仕組みになっています。

我々も「MIZUTAMARI」という多用途マットの制作を体験してみました。この商品は、曽谷朝絵さんというアーティストのデザインで、サンダルの底敷きに利用する軽く柔らかなEVAという素材を使って水たまりのようなマットをつくるというものです。使用しているEVAは、うまく色が混ざらなくサンダルとしては商品ベースとしてのらなかったものを再利用して使っています。そのため、どの柄も一点ものですし、象る人の個性によって模様に違いがでます。クッキーをつくるみたいに既存の金型の上にマットを引きその上から棒をまわして象っていく面白い作業です。


ここに参加しているアーティストが商品を考えるとき、作り手の個性が何らかの形で反映できるようになっているところが、とても新鮮でした。

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2012年3月11日日曜日

春 ヨコハマ・アート・ピクニック

春 ヨコハマ・アート・ピクニック

横浜美術大学が行なっている公開講座「こどもアトリエ村」で「春 ヨコハマ・アート・ピクニックというイベントで親子向けのワークショップの講師を行います。今回は、黄金町エリアマネイジメントに参加しているアーティスト3組によって行われます。私達、BO5の他に「黄金町バザール2011」で出展した野田智之さんやさとうりささんと共にワークショップを行う予定です。是非、ご参加下さい。

日時:    5月6日
定員:    親子50組(計100名)
参加費:   無料
開催時間: 13:00-15:00
申し込み: 以下の項目を記入した上、ハガキ・メール・FAXによにより申し込み。

1 参加者(氏名・学年・希望講座名)※お一人ずつご記入下さい。
2  見学者名(引率者代表)
3   来校者合計人数
4  住所
5 電話番号

申し込み先:ヨコハマ美術大学生涯学習センター
〒227-0033 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1204  TEL:045-963-4105  FAX:045-961-7371 e-mail:hamabi@yokohama-art.ac.jp
HP: http://www.yokohama-art.ac.jp/daigaku/society/kids_village/index.html#6


studio BO5では、ワークショップを通して生活や街について考えるイベントを行なってきました。以前に行った活動は、design unit BO5のホームページ(http://www.booooo.jp/)のevent BO5よりご覧になれます。是非、ご参加下さい。




2012年3月2日金曜日

黄金町の印鑑

先週は、コンペ、地域ブランドの視察会、マスタープラン会議、卒業設計の講評会等となんだか、とても慌ただしく時間が過ぎ、今週に入ってやっと一息ついたところ。地元商店主の会の皆さんと行った地域ブランドの視察では、「すみだモダン」という東京スカイツリーの開業を契機に墨田区内の優れた商品を内外に発信する活動を伺い、黄金町にも色々と技術をもっている方がいらっしゃるなと思いました。今日は、黄金町の印鑑について書きます。

左の印鑑は、先日お話した「黄金町いっしょにデザイン会議」の印鑑を黄金町にある「大賀堂印房」さんに手彫りで印鑑を彫ってもらったものです。代々、印房を営んでおり、大印展金賞他数々の賞を頂いている印鑑屋さんです。

コンクールでは、決まった言葉の文字を同じ大きさの印鑑に彫っていくようなんですが、印鑑の中にいかにバランスよくきれいに文字を構成し彫っていくかで賞が決まっているようです。コンクール出場者の作品をまとめた冊子を見せて頂いたのですが、「なるほどな!!」と感じました。やはり、金賞や銀賞のものはトータルみると繊細できれいな印鑑だなということがよく分かります。印鑑も考えようによっては、グラフックデザインの領域でもあるなということを改めて思いとても面白いです。ということで、「黄金町いっしょにデザイン会議」の印鑑も彫ってもらうことにしたのです。
KOGANECHO CHRONICLEというHP(http://chronicle.koganecho.net/student-research.html?pSch1-01)の左下にある「Stamp Workshop Taigado」から大賀堂印房の大賀雅雄さんが印鑑を制作している動画が見られて面白いですよ。


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2012年2月25日土曜日

ガーデニング?アート?黄金町の奇想園芸店「コガーデン」

私たちの事務所のすぐお隣で期間限定オープンしている黄金町の奇想園芸店「コガーデン」を訪れました。黄金町のアーティストが中心になり「植物」に関わる作品、商品を販売しています。

ガーデニングという誰もが親しみ易いライフスタイルと現代アートという多くの人が取っ掛りずらいものが掛け合わされ、しかもお店というのですから面白いコンセプトですよね。正直自分も現代アートが分からないとひとりなのですが、このお店には本当に使いたいものや、ちょっと笑っちゃうものがあったりして、でもやっぱりミステリアスで可笑しな感じです。

アートって敷居が高く感じたり、分かるひとが分かればいいみたいな暴力的な側面があり、それが悪いことではないのでしょうが、ガーデニングというひとつの翻訳がされていることで少し身近に感じるのだと思います。

開店時より作品・商品もどんどん増え、とても賑わいをみせています。明日閉店なのがもったいないですね。

参加アーティスト
伊東純子 L PACK  小畑祐也 久保萌菜 さかもとゆり 関本幸治 ナイマ フクモ陶器 フタマフユミ


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2012年2月17日金曜日

リビングルーム


チェンタ・ユーさんの作品。床に描かれたキーワード

2月12日(日)-2月26日まで黄金町エリアマネイジメントセンター主催の「リビングルーム~プライベートとパブリックが出会う場所」という展覧会を黄金町にあるsite A Galleyと八幡館で開催しています。海外を含めた4組のアーティストが「リビングルーム」をテーマに作品をつくるというもので、詳しくは、以下のホームページ。http://www.koganecho.net/event_exhibition/2012/02/Event-Exhibition-448.html
2月12日はオープニングということで、早速、展覧会に行ってきました。それぞれが、異なる視点から「リビングルーム」を表現していて面白かったです。中でも、興味を引いたのは、チェンタ・ユーさんの作品。地域の人々から「リビングルーム」について思い浮かべることをリサーチし、その内容をビデオや空間の中に表現したものでした。左の写真は、インタビューしたそれぞれ人が、「リビングルーム」について連想したキーワードです。

フラットな自分、ひなたぼっこ、ひとつになれる
すっぽんぽん、くつろげる、お茶......等々

それをビデオ・アートでは作家のチェンタ・ユーさんが円卓の前に座り、ぎこちない日本語で復唱するのが、クスっと笑えます。抽出された言葉は、思った以上に多く私自身あまり想像していなかった行為もいくつかあって興味深かったです。メディアを通してみるリビング像は単一化されているが、リビングには多くの行為が内包される場所であり、それぞれの家族が何を優先するかによって、その家族の在り方や住まい方も多様であるということを改めて考えさせられる作品でした。

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2012年2月15日水曜日

梅の花が咲き始めました!鎌倉・荏柄天神社

寒さがだいぶ和らいできましたね。先日鎌倉の荏柄天神社を訪れて春を発見、梅の花が咲き始めていました。

鶴ケ丘八幡宮の少し先にある荏柄天神社は学問の神様、菅原道真を祀り、京都の北野天満宮、九州の大宰府天満宮とならび日本三大天神といわれています。合格祈願で多くの人が訪れたと思います。

境内のみどころはこの梅の木と樹齢1000年とも言われる大銀杏。鶴ケ丘八幡宮の大銀杏は有名ですが、ここにもあったんですね。梅の紋章があしらわれた扉も見事でした。他にも手を清める水場などに梅の紋章があしらわれているので探してみて下さい。

ちなみにプチ情報ですが、この荏柄天神社に向かう分かれ道という交差点にあるパン屋さん「ビゴの店モン・ペシェ・ミニョン」のパンがとても美味しいですよ。おすすめはクロックムッシュとフランスパン!荏柄天神社とあわせて行ってみてください。

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2012年2月10日金曜日

建築家のセルフリノベーション2 軽量鉄骨梁が現れる!

少しずつ進んでいるセルフリノベーション。解体作業が終わり、天井を全て撤去しました。現れたのは軽量鉄骨の黒い梁です。この建物は軽量鉄骨造で鉄骨梁の上にALC板を乗せ、二階の床を形成しています。

部屋を仕切っていた壁を取り除き、光が綺麗に入ってくるようになりました。解体はバールを使いテコの原理を使ってめくっていくようにボードを剥がしていきました。バールが勢い余って頭に当たり危うく流血騒ぎになりそうでしたが、軽傷でなんとか無事できました。

ちょっとショックだったのが、最後の一枚の天井ボードをはがしたときに電気配線がたくさん横切っていたこと。しかしリノベーションにはこういう予想外の配管はつきものです。この部分は天井のデザインでカバーしようと検討中。

次回より内装工事始まります。

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2012年2月6日月曜日

「京急まちwebマガジン」にて紹介されました

京急沿線の情報サイト「京急まちwebマガジン」にてstudio BO5が紹介されました。今回は、日ノ出町から黄金町まで「情緒ある町並み探索」で黄金町の取材をしています。地元のアーティストとして、「さんにん工房」さんとstudio BO5が紹介されています。下記のホームページより御覧ください。

http://www.keikyu-ensen.com/kqmachiwebmagazine/20120203

住まいの音響2 天井


先日、書いた「住まいの音響1 調音パネル」の続きで、天井についてお話します。前回は、音響の吸音と反射のバランスについて書きましたが、もうひとつ、音響を考える上で重要な項目として定在波をなくすための工夫が必要になります。体育館などで手を叩くと、よく「ビ~ン」という耳障りな高音が聞こえる体験をしたことがある方も多いと思いますが、これが定在波です。

定在波でよく言われるのが、対面する壁が平行な場合、音が繰り返し反射して起こるため、壁を斜めにする等して乱反射させるか、吸音することによって発生させない工夫をします。しかし、壁以外にも定在波が現れやすい部分はあります。それが、天井です。特に天井のコーナー部分は、音が複雑に反射し、入り乱れることによって、音が濁ったり音抜けが悪くなります。

今回のリノベーションでは、こうした天井のコーナー部分に発生しやすい定在波を極力抑えるため、天井部分に極力、入隅ができないように、R天井とすることを考えました。部屋の真ん中には、高層住宅といわんばかりの大きな梁が通っていましたが、R天井にしたことによって緩やかに空間がひと繋ぎに感じるような効果もでました。R天井も、職人さんの苦労かいあって、綺麗に施工できました。

今回のリノベーションは、子供が独立し夫婦2人が生活する場として、音楽鑑賞が好きなご夫婦のために暮らしの中にいかに音環境を取り込むかということがテーマでした。環境は、常に人や状況によって変化していくものなので、規格化されたものではなく、それに柔軟に対応できるデザインを目指すことによって、住まい手と暮らしの間に新しい関係性が生まれることを期待します。


by design unit BO5 : http://www.booooo.jp/
photo:ナカサアンドパートナーズ(左)



2012年2月3日金曜日

鬼は外、福は内。どこからが外でどこからが内?

今日は節分ですね。節分とは季節の変わり目の前の日ということです。明日は立春です。寒い日が続きますが春へ移って行くんですね。ちなみに季節の変わり目に邪気が入りやすいということから鬼は外と豆まきをするようです。

さてこの鬼は外、福は内と言いますが、どこからが外でどこからが内なんでしょう?鬼の気分になって考えてみました。


鬼は外〜!窓から追い出された鬼はで縁側や庇の下で一休み。

いやいやそこは内だよ、鬼は外〜!鬼は泣く泣く庭で一休み。

いやいやそこは内だよ、鬼は外〜!鬼は街のカフェに逃げ込も一休み。

いやいやそこも内の街だよ、鬼は外〜!鬼は隣の街に逃げました・・・


なんてことになるかもしれません。窓や壁が外と内の境目なのか?雨が掛からないところも内なのではないか?だんだんうさんくさい話になってきてしまいました。ここで建築的内外論を語るつもりはありません。内と外はその人の見方や状況によって違うので決められないことなんだと思います。

なんだよそんな結論かと思う人も居るかもしれませんが、こんなことがここ数年世界で起こっているように思います。20世紀はいろいろなものを分けてきた世紀と言えます。国を分け、自然と都市を分け、学問を分け、分類することで物事を考えてきました。しかしその歪のようなことが起こっています。温暖化であったり、テロであったり。21世紀は今まで分けて考えてきたものをもう一度つなげて考えることが必要なのだと思います。

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黄金町いっしょにデザイン会議


photo:Yasuyiki Kasagi
2011年に行われた横浜トリエンナーレ特別連携プログラム「黄金町バザール2011」にて黄金町を拠点とする建築家有志が集まり「黄金町いっしょにデザイン会議」を発足して、黄金町地域について各々が独自の視点から空間やビジュアルの提案を行い、黄金町の街のあり方について議論する会議を行っています。活動を行うにあたって、身近な参考になる事例や制度などに関してヒアリングを行なっています。第1回は飯田善彦建築工房、第2回はACY|アーツコミッションヨコハマに伺ってヒアリングを行いました。ヒアリングの様子を「黄金町いっしょにデザイン会議」のブログにアップしていますので、ご覧下さい。


飯田善彦建築工房訪問
http://designtogather.blogspot.com/2011/12/blog-post.html

ACY|アーツコミッション ヨコハマ
http://designtogather.blogspot.com/2012/02/acy.html








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2012年2月1日水曜日

住まいの音響1 調音パネル

以前、リノベーションした「オトと暮らす家」から音響についてちょっとお話したいと思います。このプロジェクトは、高層マンションの上層階にある住戸で、晴れた日には富士山が見える羨ましいほどの景色がみられます、オーディオ好きのオーナーにとっては決して良い環境とは言えない状況でした。高性能なスピーカーを持ってはいたものの、規格化された住宅では音響に対する配慮がされていないので、オーディオの能力を十分に発揮できる環境ではなかったからです。

住まいの音響と聞くとシアタールームやオーディオルームのような有孔板や吸音効果のあるグラスウールを布で包んだ調音パネル(吸音パネル)で構成された専用ルームを思い浮かべる人が多いと思います。しかし、このような専用ルームにこもって音楽を聴くのではなく、生活とともにある音楽があるような暮らしがしたいというのがオーナーからの希望でした。






音には音源から直接到達する直接音と壁に反射して到達する反射音があります。音は反射を繰り返すと音が干渉しあって余計な響きが聞こえてきます。それを抑えるため、調音パネル(吸音パネル)を利用して反射する音を抑えます。しかし、あまり吸音しすぎると響きが悪くなってしまうので物足りなくなります。こういったことから、室内音響をつくるには反射と吸音のバランスが大切になってきます。

このリノベーションでは、そういったことを考慮して普段多くの時間を過ごすリビングルームでいかにインテリアに音響の要素を組み込みながら部屋の響きを整えるかということでした。その中の一つとして、吸音と反射のバランスをどのようにコントロールするかということが非常に重要になってきました。そこで、収納の扉を利用して簡単に調音パネル(吸音パネル)が取り外しできる仕組みを音考えました。実は、収納は鋼板の入った扉になっています。それをマグネットのついた調音パネル(吸音パネル)で固定できるようにしてあります。そして、インテリアに溶け込むだけではなく、簡単に脱着できることによって音楽のジャンルによって吸音と反射をバランスを変えられます。また、そのことによって壁の表情も変わっていきます。

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photo:ナカサアンドパートナーズ

2012年1月31日火曜日

出来るのか!?建築家のセルフリノベーション

新しいプロジェクトのYS-Hセルフリノベーションが始まりました!私が引越しをする予定のひと部屋を自らリノベーションしようというプロジェクトです。

普段の仕事のなかでお施主さんとセルフの話が上がるときがあります。そんなとき、自分でやったことがないので判断に困るんです。なので今回は自らやってみようというのがプロジェクトの発端です。

今回のテーマは和室で暗い印象がある空間の光環境をリノベーションすることです。

まずは解体。袖壁が無くなり、壁を光が伝わる様子が分かりますね。普段は無理難題を要求しているいち建築家がどんだけのものを作れるのか!?頑張ります!

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2012年1月26日木曜日

額縁のデザイン

一月も終わりに近づき、寒い日が続きますね。このような寒さの厳しい季節は昼間は太陽の光を出来るだけ取り入れ、夜は窓際の冷気を遮断するなど、窓際の温熱環境が大切になります。

さて今回は窓周りの「額縁のデザイン」についての話です。そもそも額縁の役割はサッシと壁の仕上げ(下地+塗装やクロス)を見切るためのものです。それ以外にもカーテンボックスになったり、窓台になったり、とにかく忙しいやつなんです。私たちはこの額縁を如何にデザインするかに毎回こだわります。そんなところと思うかもしれませんが(笑)、全体の印象に大きく影響を与える名脇役なので手は抜けません。

写真の住宅(SK-S)は線路際に立つとても小さな住宅です。三階建の「ひと階ひと部屋ひと風景」というコンセプトの住宅です。一階は庭に、二階は街に、三階は空に開いています。写真の中の通常よりもかなり大きな額縁はこの窓を大きな絵のように見せるためのデザインです。上部はカーテンボックスになりブラインドを上げると見えなくなります。また左端に見えている高窓は換気のための小さな窓です。こちらは逆に存在を消すように下の額縁だけを付け、横と上は壁素材が回り込むようにしています。

実際現場では何度も打ち合わせをし苦労しました。このようなデザインが出来るのは私たちのこだわりに付き合ってくれる腕の良い大工さんのおかげです。

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2012年1月15日日曜日

「割り箸ウォール」再び

BAZZAR BAZZARにて「割り箸ウォール」再び

横浜トリエンナーレ特別連携プログラム「黄金町バザール2011」のインフォメーションで作成した「割り箸ウォール」が黄金町関わる若手アーティストの作品を販売する「BAZZAR BAZZAR」に移設しました。移設に伴い店舗のインテリアもコーディネートしました。「割り箸ウォール」には、「黄金町バザール」で参加したアーティストの安部泰輔さんの古着を使った作品やスッティラット・スパパリンヤさんの音の流れるカラフルな人形を始め数多くの作品、黄金町に入居しているアーティストで家具の端材からペンやお皿を制作しているぶち木工さんの作品などの作品が展示・販売されています。お近くにお寄りの際は、是非立ち寄って見てください。

un:tenの伊東純子さんとのコラボレーション→un:ten web site

試着室は、私達の事務所がある日ノ出スタジオのお隣さんでオリジナル洋服ブランド「un:ten(アンテン)」を展開しているアーティスト・デザイナーの伊東純子さんにお願いしました。ピンクと青の素敵な試着室となりました。頂部は、「割り箸ウォール」併せて六角形のカタチになっています。この試着室があることで空間がとても華やかになりました。


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2012年1月5日木曜日

新年明けましておめでとうございます!!

新年明けましておめでとうございます。2012年がスタートしました。

ひとつひとつの出会いや絆を大切に精一杯頑張って行きたいと思いますので、
本年もどうぞよろしくお願い致します。



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