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studio BO5 一級建築士事務所の建築、デザイン、住まいなど日々思ったことを綴ったブログです。
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2012年4月26日木曜日

「団地大学」町とつながる地域コミュニティ型学生寮

私たちは新しい地域のコミュニティモデルとして「団地大学」という団地のリノベーションを提案しています。

1970〜80年代に建てられた大規模団地では核家族を想定した2DKタイプのプランが多く年齢層が偏りやすい傾向にあり、当時からの住まい手の高齢化が進んでいます。また新たな住まい手として借り易さと環境の良さから子育て世代が住む傾向もあり、その両者の二極化が起こっています。こうした状況下で単身高齢者のコミュニティづくりや子育て支援が求められるのは当然のことであり、現在の社会の大きな課題です。

私たちはこの担い手として若者を集め地域と結びつけることが必要だと考えました。そこで着目したのが大学が行なっている地域社会活動です。例えば足立区と東京芸術大学音楽学部は共同で「音楽教育支援活動・福祉と子育て支援事業・芸術によるまちづくり事業」を行なっています。こうした活動に興味をもっている大学生が集まり、主体的にプロジェクトを実践し運営していくのが「団地大学」というモデルです。
具体的には老朽化した団地をリノベーションし下層階をコミュニティの場として地域に開放、上層階をシェアハウスとして集まった学生の住まいとする計画を考えています。団地の下層階をコミュニティの場とすることでその周りの豊かな緑地環境を有効利用することもできます。

大学側は意欲的な人材を集め地域とつながる社会貢献活動を実践出来るというメリットがあり、学生は家賃の優遇や施設利用というメリットを想定、また貸主は大学からの安定した家賃収入が得られるという三者にメリットがある仕組みです。

社会が抱える福祉課題は戦後作られた住宅というハードが作り出した課題でもあります。今後そのハードを如何に見直していくかはとても重要であり、そのひとつとして「団地大学」というモデルを考えています。まだ実際の計画はありませんが今後実現に向けて考えていきたいと思っています。

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2012年4月17日火曜日

空き店舗改修@黄金町いっしょにデザイン会議

黄金町いっしょにデザイン会議
空き店舗改修@黄金町が進行中です。黄金町にある黄金町エリアマネイジメントが管理している施設の改修です。元は酒屋さんとして営業していましたが、今は、木材や鉄を使って作品をつくる「さんにん工房」というアーティストのアトリエとして利用しています。このプロジェクトは、黄金町いっしょにデザイン会議として仕事を受け、BO5が担当しています。黄金町いっしょにデザイン会議は、先日ブログにUPしましたが黄金町にいる5組7名の建築家による集団です。黄金町界隈の空き店舗を改修するにあたって、現在、アートによるまちづくりが進行している黄金町の地域の特色をいかに取り込みかということを議論しながら進んでいます。そのひとつの取組みとして、地域の資産(アーティストや地域で技術をもった方々等)とコラボレーションして空間を構成していくことを試みています。

昔ながらのミセのような工房

このプロジェクトにおいては、商店が外部空間と繋がっている昔ながらのミセのような雰囲気を残しつつ、黄金町のアーティスとのコラボレーションによって新たな場を築いていくことを模索しています。工房で作業している風景は額縁の中に描かれたアート作品の登場人物のように感じられたり。。。ここを通り過ぎる人の見方によって多様な感じ方ができるような空間になっています。

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外部と繋がるミセ空間
改装前の風景



2012年4月11日水曜日

傘を使って・・・

ワークショップの検討中...

5月6日(日)に横浜美術大学主催の春ヨコハマ・アート・ピクニックのワークショップに講師と参加することになっています。もう、一ヶ月をきってしまいましたが、ワークショップの内容について、事務所前のスペースを使って検討中。


今回は、傘を使って。。。。
皆さんが普段手にしている傘を使って、参加してくれる子供たちと共同で制作していくプログラムを予定しております。

4月16日(月)が申し込み締め切りです。ご興味のある方は、是非、ご参加下さい。
お申込みについてはこちらから。
http://www.yokohama-art.ac.jp/daigaku/society/kids_village/index.html


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2012年4月9日月曜日

SAKURA@KOGANECHO


私達の事務所前の大岡川には約800本の桜並木があり、横浜の桜の名所のひとつになっています。
先週末には、「大岡川桜まつり」のメインイベントが開催されてました。この日は、両岸の12の町内が中心となって、チャリティーライブやアートマーケット等の様々な催し物が開催されかなりの賑わいになります。毎年、楽しみにしているのですが、先週は色々と予定が入り事務所に来ても桜を見る時間もなく残念ながら昨日もメインイベントに参加できませんでした。

今日は、ようやく一息ということで早速お昼に外へ桜を見ながらランチをしました。光や風も心地よく、桜が綺麗に咲いていました。癒されますね。今日は、平日ですが桜を見に来ている人も多く賑わっています。屋台が始まるのが、もう少し遅い時間なのが残念。。。午後におやつでリベンジですね。(笑)ここは、ロシア料理、フランス料理、韓国料理などの多国籍な屋台が揃うのも特徴のひとつかもしれません。ということで、夜になると各国のビールが揃うかも。まだ、お越しにない方、4月15日まではあるみたいですよ。



こうして、桜を眺めているとすこし前に話題になったアカデミー賞ノミネート作品ルーシーウォーカー監督の「津波そして桜」を思い出します。その映像の中で、津波によって瓦礫で一体となった景色の中に桜の木を見つけて、桜を愛でるシーンがとても印象的でした。特に日本では4月に入学式や入社など転機となる季節に桜が咲くせいか、そうした記憶が何か桜に特別な印象を持つのでしょうか。場所や状況は違っても同じように桜を見て、それぞれが色々感じる桜は日本の都市景観にとってなくてはならない存在だなぁと改めて感じました。

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2012年4月5日木曜日

石巻の商店街

先日横浜市と石巻市の文化交流プログラム日和アートセンターのオープニングで石巻市を訪れました。石巻市を訪れるのは今回初めてでした。仙台から電車でさらに一時間半かけてようやく石巻駅に到着。石巻はテレビでもよく報道されていることから、駅に着いたら何もないよいう勝手なイメージを持っていたのですが、降りるとそこには普通の駅前や商店街の風景がありました。またところどころに漫画家石ノ森さん街とあってサイボーグ009の像があります。一見すると何事もなかったかのように日常が営まれているのですが、よく見ると津波の痕跡がところどころにあります。話を聞くとこの辺も一階は完全に浸水した地域です。

もともとこの商店街は近くに大型ショッピングセンターが出来て以来、シャッター通りという問題を抱えていたそうです。今回の津波で店内は使いものにならず、さらに出ていく人が増えているようです。日和アートセンターはこんな商店のひとつを横浜市が借りアートセンターとしてリノベーションしたものです。

私は今回、復興とはなんなのか、何か出来ることはないのかと考えながら行きましたが、石巻で最初に見たものは復興以前からあるシャッター商店街という問題でした。この問題は私が活動している黄金町でもある共通の問題であり妙な親近感を持ちました。

ちょうど黄金町で、こうしたシャッターが締まったままの空き店舗をリノベーションするプロジェクトをやらせてもらっています。これは単に綺麗にするということではなく、如何に町と関わる空間ができるのか、如何に町の人や商業、技と関わるかということをテーマにし、単なる改修ではなく町を活性化させる原動力となることを考えながらやっているところです。商店街にはもともとあったポテンシャルや隠れてしまっている力があると思います。なので0から始めるのではなく、そう言う見えにくくなってしまっている部分を必死に探してそこから始めるのことが必要だと考えやっているところです。

これから進められる東日本の復興は戦後の復興のようなものではなく、それ以前にある問題も解決しながら再生するようなことが絶対必要だと思います。そのひとつにシャッター商店街という日本全国である問題があるのだと今回改めて思い知らされました。私はいまそのひとつとして黄金町で関わらせてもらっていますが、同じ問題を共有している石巻の商店街でも関われたらと強く思いました。

そして商店街の漁港は報道で見る風景が広がっています。そちらについてはまた改めて書きたいと思います。 

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